7/31現地見学会報告

コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、当初は、一般も対象とした「現地見学会」を予定していましたが、
地域住民から不安の声が多数寄せられていることもあり、急遽、一般を対象としない現地での「機器搬入、設置作業状況確認(記者向け説明含む)」に変更しました。

現地での状況確認は、2地区で行われ、西谷地区では「薬剤散布用ドローンデモ飛行(鳥獣監視センサー・カメラ)」
「安全見守りくん説明」「運搬用台車(農薬散布)、ロボットアームデモ」を行い、
宗ノ上地区では「各種定点カメラ、土壌センサー、SoBiC説明」を共同実証機関が行いました。

現地での状況確認後は、室内対応として、会議室を利用し、実証状況解説(安全見守りくん)、
オンラインによる製品説明(AGUMIRU)を共同実証機関が行い、全体を通して、POやコーディネーターからコメントをいただきました。

共同実証機関による現地での状況確認および室内対応の概要は、次のとおりです。

(1) 「薬剤散布用ドローン(鳥獣監視センサー・カメラ)」のデモ飛行
ドローン(XAG社XMISSION)を利用し、実際の現場で、果樹の木の高さをセンシングするための撮影飛行を行った。
本実証では、スマホで簡単にドローンの自動航空を実現し、薬剤散布労力の軽減を進めるのが目的である。
実作業の際には、ドローン(XAG社XMISSION)に付随する全体カメラで撮影飛行の後、撮影画像から立体映像(3D)構築時に生成される高さ情報をもとに、薬剤散布用ドローン(XAG社P30)により、薬剤散布を進めることとなる。
ドローン(XAG社XMISSION)の特徴としては、1本1本の木をセンシングすることができ、約5分で6反分の範囲を測量し、XCamとマルチスペクトルカメラを使用した約44枚のHD撮影画像が取得される。
飛行の位置精度は、GNSSRTKを利用し、高精度な飛行を実現し、通常の縦方向での飛行ルートでの撮影に加え、横方向での撮影も行い、3次元での立体視の精度向上を図っている。

(2) 「安全見守りくん」の装着デモ
安全見守りくんの概要を説明し、現場で装着する機材を説明した。
安全見守りくんは、現場作業者の安全を遠隔で見守ることを目的としたシステムである。
本実証では、安全見守りくんを利用した、遠隔での作業支援、作業者のデータ分析、画像確認を実証する。
現場では、スマートフォン、スマートウォッチ、ヘルメットカメラ、この3つのデバイスを装着し、
スマートフォンによる位置情報、スマートウォッチによるバイタルの把握、ヘルメットカメラによる現場の映像を、システム上(地図上)に視覚表示できる。

(3) 「MobileMover(運搬用台車(農薬散布))、ロボットアーム」のデモ
MobileMoverのデモでは、有線走行による追尾、遠隔操作による自動走行を行った。
また、MobileMoverに薬剤散布機器、送風機等を取り付け、現場の果樹への自動走行による薬剤の自動散布のデモを行った。
ロボットアームのデモでは、遠隔操作での摘果・収穫の様子を説明した。
本実証では、MobileMoverで平坦地での薬剤散布や運搬を行い、ロボットアームで摘果・収穫を進め、労力の軽減を目指す。
MobileMoverの動作は、単独で最大時速6kmの速度での前進後進が可能であり、舗装路面で最大積載は100kg、
傾斜角度は8度まで保証している。
本実証場所での動作は、モニタリングにより検証を進めているところである。

(4) 「各種定点カメラ、土壌センサー、SoBiC」の説明
定点カメラ、土壌センサー、SobiC(無電源自動野菜栽培キット)の説明を行った。
本実証では、定点カメラや土壌センサーでは、圃場状態をセンシングし、SoBiCでは、太陽光による熱膨張、収縮を活用し、
潅水を無動力自動で行うことによる苗木幼木管理の省力化を目指す。
SoBiCは、水やりが自動で行われ、土づくり・土運びが不要であり、草むしりの負担が軽減され、電気不要の手間や負担のかからない自動栽培装置である。
大きなメリットは、土壌環境が悪い場所でも装置を設置するだけで栽培が可能な点、電気や人的コストが不要な点、
自動水循環による培地活性により植物の生育促進効果がある点、大幅な節水が可能となる点である。
SoBiC設置方法は容易であり、SoBiCを日の当たる場所に設置し、水、栽培カートリッジバッグ、種子または苗をセットし、
見守るのみ。たまに水を補充し、収穫後は、カートリッジバッグの交換により、土づくり不要ですぐに栽培を開始でき、初心者には負担がなく容易に利用できる装置である。

(5) 「安全見守りくん」の実証状況解説
現場での作業状況を、安全見守りくんの運用システム(地図表示)に表示し、説明を行った。
本実証では、本運用システムを利用し、高齢化する作業者の安全見守りや、若年層への技能伝承により、農作業の高度化を目指す。
運用システムの地図表示画面では、現場とのリモート接続により、転倒による衝撃アラートの警告表示、熱中症予防としての気温表示、
作業時間管理として残時間の表示、バイタルの把握として、スマートウォッチからの脈拍表示、ストレスレベルの表示、歩行速度の表示、
作業状況の画面表示を確認することができた。
現地の映像に加え、音声による双方向のコミュニケーションが可能であるため、チームリーダー等への確認が円滑となり、効率的な作業ができると想定される。
収集した情報は、サーバに蓄積され、後程、作業状況の確認、日報作成への活用、その他、二次活用にも利用できると想定される。

(6) 「AGUMIRU(アグミル)」の説明
東京からオンラインによるAGUMIRUの説明を行った。
本実証では、AGUMIRUを利用し、農業経営に必要な機能に加え、衛星写真の提供、NDVI分析、生産管理サービスの提供を目指す。
AGUMIRUでは、農業ニュースの閲覧、市況動向のグラフ表示、資材売買を目的としたECサイト、全国の農業者へのコミュニティサイト、
ドローン等の撮影画像の分析、最短3日での衛星写真提供サービスなど6つの機能も利用できる。
農水省のMAFFアプリとデータ連携できているため、補助金等の情報も確認できる。
本実証では、生産管理サービスの機能を主に利用することとなる。現地でスマートフォンを利用し、作業記録を登録するという流れである。
本サービスでは、作業者の一日の作業内容がダッシュボードに表示される。登録方法は、カレンダーから作業期間の設定、
作業一覧から作業内容の選択、作業者名一覧から作業者の選択、利用した資材の量や薬剤の量の登録を行うこととなる。
これらの入力結果は集計もできる。その他、作業の進捗状況として、完了・遅延などを表示できる。
本サービスでの地図表示機能では、圃場や作付け状況の確認のほか、病害虫の登録、現場写真の画像登録も行える。

現地での状況確認および室内対応時に、代表機関や進行管理役からは、補足説明が行われた。
進行管理役からは、以下補足説明を実施。

MobileMoverを利用し、「ゆず収穫時のとげによる怪我の回避」、「落下によるきずもの削減」等の課題解決を実証で目指していきたい。
コロナによる影響を踏まえ、自宅から画面を見ながら収穫する方法の検討を進めるなど、省力化に寄与することを目指したい。
代表機関からは、以下補足説明を実施。
ゆず収穫時には、3mから7m程度の高さのゆずを、はしごを利用し収獲するが、ロボットアームを利用することで、はしごが不要となり、安全性、効率性の両面で効果が見込める。
各地区での労働時間を経営データとして提出しなければならないため、AGUMIRU、安全見守りくんとの項目のすり合わせを入力時までに調整し、農研機構に確認しながら進めたい。

現地での状況確認および室内対応時に、専門PO、コーディネーターにコメントをいただいた。
森永専門POからは、以下コメントをいただいた。
安全見守りくんによる、ゆずのデータ管理は、現場での移動しながらの作業内容もデータ区分できるように検討いただきたい。
AGUMIRUの生産管理システムは、手書きの作業日誌に替わるものと考えている。記入内容は、ゆずの管理(果樹管理)に適合した構成で進めていただきたい。
例えば、3ヵ月、半年の入力後に、除草作業に費やした時間がどのくらいか、というように、項目ごとの作業時間の集計、検索機能、集計機能、前年度比較などを簡便にできるように進めていただきたい。
AGUMIRUの衛星写真提供サービスについて、直近の衛星画像をドローンによる防除時に利用するなど、活用方法をご検討いただきたい。
全体を通して、前回確認できなかった技術を確認できてよかった。実用化されたら省力化されると思うが、実証の課題も多々ある。
収穫期に向けて、がんばって取り組んでいただきたい。
AGUMIRUの経営データ取得に関して、経営データの項目・内容が非常に複雑で多岐にわたるため、記載するのは大変な作業であり、コンソーシアムで理解して提出しても、漏れがなくデータが入力されるか不明である。切りの良い段階で、経営データを農研機構に送付し、検証いただけるようにお願いいただきたい。
プロジェクトで購入した機械等の故障、不具合などのトラブルがあったら、連絡いただきたい。
コロナの影響で陽性者もでているため、収穫期に向かって、想定した情報が取れるかどうか懸念されるが、オンラインを利用した手法など、今後も、無理をしない形で工夫をしながら、可能な限りデータを取得いただきたい。

柳沼コーディネーターからは、以下コメントをいただいた。
安全見守りくんによる、ゆずのデータ管理を踏まえ、本実証事業は、作業時間の短縮が一番の命題となる。
どの作業をどの作業者がどのくらい作業したかを自動記録し、データ提出できるように進めていただきたい。
AGUMIRUの画像診断機能について、現場での作業中に病害虫による病気が見つかった場合、
写真を撮影し、AGUMIRUに登録することで、画像診断できるなど、活用方法をご検討いただきたい。
全体を通して、スマート機器は日々進化しているが、不具合も多く出ている。不具合が発見されたら、すぐに報告いただきたい。労働災害が起きないように実証を進めていただきたい。

会議はオンラインを利用した方法でもできるため、今後も是非そのように進めていただきたい。

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